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こんにちは♪ ス~ジ~です♪ 

こんにちは♪ ス~ジ~です♪ 

文民政府を樹立するまでは

<ノリエガおよびパナマ国防軍を絶滅する。それが成功す
れば、われわれが文民政府を樹立し、新しい警備軍を創設
するまで、この国を管理する>

レーガン時代が1989年1月に終わったので、ブッシュ
大統領がノリエガの問題を引き継いだ。独裁者は政治上の
敵対者に暴行を加え、政治犯として大量に逮捕して、相変
わらずこれ見よがしに民主主義を軽蔑していた。彼は政敵
のギレルモ・エンダラが勝ちそうに見えたので、1989
年5月の選挙を中止した。そして、アメリカのテレビ・カ
メラが一部しじゅうを見ているところで、エンダラの副大
統領候補を部下のパナマ国防軍の無法者に殴らせた。
1989年秋、私が統合参謀本部議長になったころには、
ノリエガを追放して、かわりに民主的政府を設置すること
が、しだいにブッシュ政権の優先事項となった。そして、
この独裁者にたいするブッシュ大統領の嫌悪感はいっこう
におさまっていなかった。

大統領はすでに、国防長官ディック・チェイニー、国務長
官ジム・ベーカー、国家安全保障担当大統領補佐官ブレン
ト・スコウクロフトとその副官ボブ・ゲイツおよびマーリ
ン・フィッツウォーター報道担当補佐官を集めていた。

私はまず第一の目標から説明した。ノリエガおよびパナマ
国防軍を絶滅する。それが成功すれば、われわれが文民政
府を樹立し、新しい警備軍を創設するまで、この国を管理
する。

さらに軍事的な細部に話を進めた。現地に配備してある軍
隊を使う。われわれはひそかに増強しており、現在は総数
1万3000の戦力になっていた。しかし、その数でも充
分でない。南方軍の最高司令官マックス・サーマンとスタ
イナーは主なパナマ国防軍部隊のすべてを攻撃し、重要な
軍事施設のすべてを占領する戦略を立てている。陸軍レイ
ンジャー部隊がパナマ市西部のリオ・ハトにある主な兵営
に落下傘で降下して、過去のクーデター制圧に使われたこ
のパナマ国防軍中隊を排除することになる。わが空軍の新
しいF-117Aスティルス戦闘機が初めて戦闘に使われ
、レインジャー部隊を支援する。第82空挺師団の落下傘
部隊がフォート・ブラッグから飛び、市の東部の目標に降
下する。第7歩兵師団から増援される歩兵がカリフォルニ
ア州フォート・オードから飛来して、アメリカ軍の支配区
域を広げ、法と秩序の回復を支援する。すでにパナマに配
備されているアメリカ軍部隊は、パナマ国防軍司令部の建
物コマンダンシアと本来の市域内にある目標を占領する。
海軍の特殊部隊は飛行場を占拠する。そこに、ノリエガが
「逃走用」の飛行機を隠していることをわれわれはつかん
でいる。特殊作戦部隊がノリエガを探す。日々の居場所を
突きとめられないので、これは厳しい任務になるだろう。
パナマの海兵中隊は、パナマ運河にかかるアメリカの橋の
確保にあたる。デルタ・フォース派遣部隊は、コマンダン
シアから通りをへだてたモデロ刑務所に収監されているC
IAの情報源、クルト・ミューズの救出を割り当てられる
。ブルー・スプーン軍は総計2万人を超えるだろう。そし
て私は、次のように予言した。作戦開始時刻から2、3時
間以内に、逮捕されようとされまいと、ノリエガはもはや
権力を失い、選挙で選ばれたエンダラの政府が隠れ場所か
ら出てくる。そのときまでには、職務につく環境がわれわ
れによって準備されているだろう。

行動を起こすに値する挑発があったかどうかが、いぜんと
して重要な問題だった。われわれにはいくつも根拠があっ
た――ノリエガは民主主義を軽蔑しており、麻薬取引をし
、起訴されている。アメリカの海兵隊員が死んだ。パナマ
を支配するこの信頼できない人物によって運河に関するア
メリカの条約上の権利がおびやかされている。そして、口
には出さないが、アメリカを無視する三流の独裁者ノリエ
ガにたいするブッシュの個人的な嫌悪があった。私もノリ
エガが嫌いだった。

作戦名は結局、マックスが提案した「正義」に決まった。
勇気をふるい立たせる響きとともに、私はその言葉がはた
す他のある働きも気に入った。いかに厳しくわれわれを批
判しようとも、その人たちは私たちを罵倒する一方で、そ
の都度声に出して「正義」と言わなければならないだろう


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